【Self-RAG】「自分の仕事を変だと思えるか」メタ認知を持つAIエンジニアリング
はじめに:伸びる部下、伸びない部下の違い
長年マネージャーをやっているとわかります。伸びる部下は、提出前に「これ、論理飛躍してないか?」と自分でチェックできる(メタ認知が高い)。伸びない部下は、書いたものをそのまま持ってきて「違います」と突っ返される。
AIも同じです。生成した答えをそのまま垂れ流すAIは、もう古い。これからのトレンドは、「自分で自分の回答を採点し、ダメならやり直す」AI、すなわち
Self-RAG です。
基礎知識:Self-RAG(自己反省型RAG)の仕組み
通常のRAGは一方通行(Retrieve -> Generate)ですが、Self-RAGはループします。
1. ドキュメントを検索する。
2. そのドキュメントが「質問に関連しているか」を自己評価する。
3. 回答を生成する。
4. 生成した回答が「ドキュメントと矛盾していないか(幻覚ではないか)」を自己評価する。
5. NGなら、検索クエリを変えてやり直す。
この「自己批判プロセス」を組み込むことで、回答精度が劇的に向上します。
実装・設定:LangGraphで「書き直しループ」を作る
これを実装するには、フロー制御が得意な LangGraph が最適です。
# ノード定義(採点者)
grade_documents = RunnableLambda(lambda x: grader_model.invoke(x))
# 条件分岐(エッジ)
def decide_to_generate(state):
if state["score"] == "yes":
return "generate"
else:
return "rewrite_query" # 検索ワードを変えてやり直し!
workflow.add_conditional_edges("grade", decide_to_generate)
このロジックを入れるだけで、AIは「うーん、この資料じゃ答えられないな、別の言葉で検索してみよう」と、粘り強く答えを探すようになります。
応用テクニック:Hallucination Graderの実装
「回答が事実に即しているか」を判定する専用のプロンプトを用意しましょう。
「以下の回答は、参照ドキュメントの内容のみに基づいていますか?
YES/NO」というシンプルな採点者を一人置いておくだけで、嘘をつく確率を大幅に下げられます。
トラブルシューティング:無限ループという名の残業地獄
注意点として、真面目すぎるAIは「完璧な答えが見つかるまで永遠に検索し続ける」ことがあります。
必ず
recursion_limit(最大ループ回数)を設定しましょう。人間と同じで、いつまでも悩み続けるよりは、「現時点ではわかりませんでした」と報告する勇気も必要です。
まとめ:AIに「自律」を教える面白さ
Self-RAGの実装は、まるで新人教育のようです。「提出前に一度読み返してごらん?」と教えるプロセスそのものです。
手のかかる子ほど可愛いと言いますが、自分で考えて修正できるようになったAIを見ると、エンジニアとしての親心が満たされますよ。
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